すりおろせばとろろ、短冊に切ればシャキシャキ、加熱すればホクホク。長芋は一本で何通りも楽しめる頼もしい食材ですが、「気づいたら切り口が茶色くなっていた」「冷蔵庫の奥でブヨブヨになっていた」と、もてあました経験はありませんか。じつは長芋は、保存の正解が「丸ごとか・カットか」「常温か・冷蔵か・冷凍か」で大きく変わる食材です。やみくもに冷蔵庫へ入れるより、状態に合わせて置き場所を選ぶだけで、ぐっと長持ちします。
結論から言うと、丸ごとなら涼しい場所で常温保存して約1ヶ月、カットしたら冷蔵で数日〜10日、そして使いきれない分は冷凍してしまうのがいちばんラクで失敗しません。この記事では、その3パターンの正しいやり方と、変色やかゆみを防ぐひと手間、傷んだときの見分け方まで、まるごと解説します。今日から長芋を一本も無駄にしない、そんな保存術を一緒に身につけましょう。
・丸ごと・カット・冷凍で変わる長芋の正しい保存場所と日持ち
・切り口を乾かさず、変色とかゆみを防ぐ下処理のコツ
・すりおろし冷凍で1ヶ月とろろを常備する方法
・「これ食べて大丈夫?」傷んだ長芋の見分け方
長芋の保存方法、まず知っておきたい基本の3パターン

長芋を長持ちさせるコツは、買ってきた状態に合わせて保存場所を選ぶことです。同じ長芋でも「皮つきで丸ごと」なのか「カットされている」のかで、向いている保存方法はまったく変わります。まずは全体像をつかんでおきましょう。
常温・冷蔵・冷凍で日持ちはこんなに変わる
長芋は保存方法を選ぶだけで、日持ちが数日から1ヶ月以上まで大きく変わります。ざっくり言えば、丸ごとで涼しい場所に置けば約1ヶ月、カットして冷蔵すれば数日〜10日、すりおろしたりカットして冷凍すれば約1ヶ月が目安です。
ポイントは「断面があるかどうか」。皮に守られた丸ごとの長芋は乾燥にも酸化にも強く、常温でもしっかりもちます。一方、包丁を入れた瞬間から切り口は酸化し、水分も抜けていくので、カットしたものはできるだけ早く食べるか、冷凍に回すのが正解です。「とりあえず全部冷蔵庫」が必ずしもベストではない、というのが長芋保存の最初のコツです。
まずは下の比較表で、どの状態をどこに置けばいいか、ざっと頭に入れておきましょう。
| 状態・保存方法 | 日持ち目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 丸ごと・常温 | 約1ヶ月 | 新聞紙で包み25℃以下の冷暗所 |
| カット・冷蔵 | 生食3〜4日/加熱10日 | 切り口をラップで密着 |
| すりおろし・冷凍 | 約1ヶ月 | 酢を少々、平らにして冷凍 |
| カット・冷凍 | 約1ヶ月 | 水気を拭き、用途別にカット |
※食材保存のミカタ調べ(メーカー・公的情報をもとにした保存目安)
買ってきたら、まずこの状態をチェック
保存に取りかかる前に、長芋の状態をひと目チェックしておくと失敗が減ります。見るべきは「ひげ根」「切り口」「ハリ」の3点です。
ひげ根がついたままの皮つき丸ごとタイプは、いちばん日持ちする優等生。表面に傷がなく、手に持ってずっしり重く、ハリがあるものを選びましょう。カット売りのものは、切り口がみずみずしく白いものが新鮮です。逆に、切り口が茶色っぽく乾いていたり、ヌメッと水気が出ているものは鮮度が落ちかけています。
よくあるのが、カット長芋を買ってきて「まだ大丈夫」と数日放置してしまうパターン。断面はどんどん酸化が進むので、カットものは買った当日か翌日には下処理してしまうのが安心です。とはいえ、多少切り口が変色していても、酢水でさっと洗えばきれいになり味も問題ありません。神経質になりすぎなくて大丈夫ですよ。
丸ごと?カット済み?で保存の正解は変わる
長芋保存でいちばん大切な分かれ道が、「皮つき丸ごと」か「カット済み」かです。ここを間違えると、せっかくの長芋を早く傷ませてしまいます。
丸ごとなら、冷蔵庫に入れる必要はありません。むしろ新聞紙に包んで涼しい場所に置いたほうが、1ヶ月近くもちます。冷蔵庫の中は意外と乾燥しやすく、まるごと長芋には乾燥のほうがダメージになることもあるのです。一方カット済みは、断面から傷むので冷蔵か冷凍が基本。すぐ使わないなら、思い切って冷凍に回しましょう。
「冷蔵庫に入れておけば安心」と丸ごと長芋を野菜室に押し込んで、かえって乾燥でシワシワにしてしまう、というのはありがちな失敗です。状態に合わせて置き場所を変える、これだけで長芋はぐんと長持ちします。次の章から、それぞれの具体的なやり方を見ていきましょう。
丸ごと長芋を常温で1ヶ月もたせる包み方
皮つきの丸ごと長芋は、じつは常温保存がいちばん長持ちします。畑では土の中で育つ野菜なので、暗く涼しい環境が大好き。ポイントを押さえれば、買ってから1ヶ月近くおいしさをキープできますよ。
新聞紙で包むだけ、涼しい場所で長持ち
丸ごと長芋の常温保存は、新聞紙で包んで冷暗所に置くだけ。とてもシンプルですが、これだけで約1ヶ月もちます。
やり方は、長芋全体を新聞紙でふんわり包み、風通しのよい涼しい場所に立てて置くだけです。長芋は土の中で縦に伸びて育つので、なるべく育っていたときと同じ「縦向き」で保存すると、ストレスが少なく長持ちします。新聞紙が余分な湿気を吸い、同時に乾燥も防いでくれるので、いわば畑の土の代わりをしてくれるイメージです。
やりがちな失敗は、買ってきたビニール袋のまま置いてしまうこと。袋の中で湿気がこもり、カビや傷みの原因になります。袋から出して新聞紙に着替えさせるだけで、もちが全然違ってきます。ひと手間ですが、これだけで長芋一本をムダなく使いきれますよ。
25度を超える夏は常温NG、その理由
常温保存が向いているのは、あくまで涼しい時期です。室温が25℃を超えるような夏場は、常温保存は避けて冷蔵に切り替えてください。
気温が高いと長芋の呼吸が活発になり、芽が出たり、内部から傷んだりするスピードが一気に早まります。目安は25℃。これを超える時期は、たとえ丸ごとでも新聞紙で包んだうえでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存するのが安心です。冷蔵なら丸ごとでも数週間はもちます。
「去年の冬は常温でずっともったのに」と、真夏に同じ感覚でキッチンに置きっぱなしにすると、数日で表面がべたついてくることがあります。季節で保存場所を切り替える、これが長芋を傷ませないコツです。冬は常温、夏は冷蔵、と覚えておけば失敗しません。
冷暗所がない家でもできる、身近な代用アイデア
「冷暗所なんてうちにはない」と思っても大丈夫。マンションやアパートでも、ちょっとした工夫で長芋に快適な場所を用意できます。
ねらい目は、直射日光が当たらず、暖房や家電の熱がこもらない場所です。シンク下の収納、床下収納、玄関の靴箱の上、あまり開けない北側の部屋の隅などが候補になります。新聞紙で包んだ長芋を紙袋や段ボールに入れておくと、光を遮りつつ通気も保てて理想的です。
逆に避けたいのが、コンロわきやレンジの近く、窓辺など温度が上がりやすい場所。涼しいと思っていても、家電の排熱でじんわり温まっていることがあります。置き場所に迷ったら、「自分が夏に過ごして涼しいと感じる場所」を選べば、だいたい正解です。
冷蔵庫で長芋を長持ちさせる、切り口の守り方

カットした長芋や、夏場の丸ごと長芋は冷蔵保存が基本です。冷蔵で長持ちさせる最大のカギは「切り口を乾かさないこと」。ここさえ押さえれば、数日〜10日はおいしく使えます。
カットした長芋は、切り口を乾かさない
カットした長芋を冷蔵するときは、断面の乾燥と酸化を防ぐことが何より大切です。切り口にぴったりラップを密着させるのが基本中の基本になります。
手順はかんたんです。切り口にキッチンペーパーを当てて軽く水気を取り、その上から空気が入らないようラップでぴったり包みます。さらにジッパー付き保存袋に入れて空気を抜き、野菜室へ。こうすると断面が乾いてスカスカになるのを防げます。気になる人は、切り口を酢水にさっとくぐらせてから包むと、変色もぐっと抑えられます。
ありがちな失敗は、切り口むき出しのままラップだけかぶせて入れてしまうこと。空気に触れた断面はみるみる茶色く変色し、ぬめりも出やすくなります。ラップは「かぶせる」より「密着させる」が正解。ひと巻きていねいにするだけで、最後までみずみずしく使えますよ。
生で食べるなら3〜4日、加熱なら10日が目安
冷蔵したカット長芋の日持ちは、「どう食べるか」で目安が変わります。とろろなど生で食べるなら3〜4日、煮物や炒め物など火を通すなら10日ほどが目安です。
生食の場合は、断面の鮮度がそのまま味と安全性に直結するので、早めに食べきりましょう。加熱して食べるなら少し余裕があり、多少シャキッと感が落ちても、火を通せばおいしくいただけます。冷蔵期間が後半に入ったら、生食は避けて加熱用に回す、と使い分けるのがおすすめです。
「まだ数日だから」と生でとろろにしたら、なんだか味がぼやけていた…というのは、断面の酸化が進んだサインかもしれません。迷ったら加熱、と覚えておくと安心です。状態を見て柔軟に使い分ければ、長芋を最後までおいしく楽しめます。
- 切り口にキッチンペーパーを当てて水気を取る
- 気になれば酢水にさっとくぐらせる
- 切り口にラップをぴったり密着させて包む
- ジッパー付き保存袋で空気を抜き野菜室へ
野菜室と冷蔵室、長芋はどっちに入れる?
長芋を冷蔵するなら、基本は「野菜室」がおすすめです。野菜室は冷蔵室よりやや高めの温度(おおむね3〜8℃)と高めの湿度に保たれていて、芋類にとって過ごしやすい環境だからです。
長芋はもともと土の中で育つ野菜で、冷えすぎる環境は少し苦手。冷蔵室のいちばん冷たい場所に置くと、低温障害で味が落ちることもあります。丸ごとを夏場に冷蔵するときも、カットものを保存するときも、まずは野菜室を選びましょう。野菜室がない冷蔵庫なら、ドアポケットなど比較的温度が安定して冷えすぎない場所が無難です。
「とにかく冷たいほうが長持ちしそう」とチルド室に入れてしまうと、かえって食感が損なわれることがあります。長芋は冷やしすぎ厳禁。野菜室でほどよく、を合言葉にすれば失敗しません。
長芋の保存方法は冷凍が便利?すりおろし冷凍のすすめ
「使いきれそうにない」「とろろをいつでも食べたい」。そんなときに頼れるのが冷凍保存です。長芋は冷凍と相性がよく、すりおろしてもカットしても約1ヶ月キープできます。一度覚えると手放せない便利ワザですよ。
すりおろして平らに冷凍、1ヶ月キープ
とろろ好きにいちばんおすすめなのが、すりおろして冷凍する方法です。約1ヶ月もち、食べたいときに解凍するだけで、すりたてに近いとろろが楽しめます。
作り方はこうです。長芋をすりおろし、変色防止に酢を少しだけ加えます(長芋350〜400gに小さじ1/2ほどが目安)。それをジッパー付き保存袋に入れ、できるだけ薄く平らにならして空気を抜き、金属トレイにのせて冷凍庫へ。平らにしておくと凍るのも解凍も早く、使う分だけパキッと折って取り出せます。袋に菜箸で薄く溝をつけておくと、さらに割りやすくなって便利です。
やりがちな失敗は、袋をパンパンに膨らませたまま冷凍してしまうこと。分厚い塊になって解凍に時間がかかり、必要以上に使ってしまいます。「薄く・平らに」がとろろ冷凍の合言葉。これさえ守れば、忙しい朝でもさっと一品増やせますよ。
カットして冷凍、シャキシャキ食感を残すコツ
とろろだけでなく、短冊切りや乱切りにした長芋も冷凍できます。こちらは約1ヶ月もち、炒め物や煮物にそのまま使えて重宝します。
手順は、使いやすい大きさに切ったら、キッチンペーパーで表面の水気をしっかり拭き取り、ジッパー付き保存袋に重ならないように平らに並べて空気を抜き、冷凍するだけ。短冊切りなら炒め物やお好み焼きに、乱切りなら煮物や汁物にと、用途別に分けて冷凍しておくと調理がぐっとラクになります。凍ったまま加熱調理できるので、解凍の手間もいりません。
注意したいのは、水気を拭かずに冷凍すること。霜がついて食感が水っぽくなり、せっかくのシャキシャキ感が損なわれます。ペーパーでひと拭きするだけで仕上がりが変わるので、面倒でもこのひと手間を。生のシャキシャキとはまた違う、ホクッとした食感も楽しめますよ。
すりおろしも、カットも、冷凍前に「酢を少々」と「平らにならす」のふたつを守るだけで、変色を抑えつつ使いやすくなります。金属トレイにのせて急速に凍らせると、食感の劣化もぐっと減りますよ。
解凍は袋ごと流水、加熱しすぎに注意
冷凍長芋をおいしく食べるには、解凍の仕方も大切です。すりおろしとろろは、急ぐなら袋ごと流水に当てるか、冷蔵庫に移して自然解凍するのがおすすめです。
とろろは半解凍くらいがいちばん扱いやすく、ご飯やそばにそのままかけられます。電子レンジを使う場合は、加熱しすぎると風味も食感も落ちるので、短時間ずつ様子を見ながら温めてください。カットした長芋は解凍せず、凍ったまま鍋やフライパンに入れてOK。煮物なら凍ったまま入れると味も染みやすく、時短にもなります。
失敗しがちなのが、とろろをレンジで一気に加熱してしまうこと。一部が温まりすぎてボソボソになり、独特のなめらかさが失われます。「ゆっくり半解凍」がとろろをおいしく戻すコツ。冷凍だからと味を心配しなくても、ポイントを押さえれば作りたてに近い口当たりが楽しめます。
「冷凍は味が落ちる」と思われがちですが、長芋はむしろ冷凍向きの食材です。煮物用のカット長芋は、凍る過程で細胞のすき間ができ、生から煮るより味が染みやすくなります。意外と知られていませんが、用途によっては冷凍のほうが料理が決まりやすいのです。
変色とかゆみを防ぐ、ひと手間の下処理

長芋を扱うとき、「切り口が茶色くなる」「手がかゆくなる」という2つの悩みはつきものです。でも、ちょっとした下処理を知っておけば、どちらもしっかり防げます。気持ちよく長芋を使うためのコツを押さえましょう。
酢水にさらせば変色知らず
長芋の切り口が茶色っぽく変色するのは、空気に触れて酸化が進むためです。これを防ぐ強い味方が「酢」。酢水にさらすだけで、白いきれいな状態を保てます。
方法は簡単で、水500mlに酢大さじ1ほどを溶かした酢水を用意し、皮をむいたりカットしたりした長芋を5分ほどさらすだけ。すりおろす場合も、おろす前に酢水にくぐらせるか、おろした後に少量の酢を混ぜると、白さがぐっと長持ちします。酢の量はごく少しでよく、料理の味に影響することはほとんどありません。
「変色=傷んだ」と勘違いして捨ててしまう人もいますが、酸化による茶色やピンクの変色は、食べても問題ないことがほとんどです。それでも見た目が気になるなら、酢水でひと手間。真っ白なとろろは食卓の見栄えもよく、気持ちよくいただけますよ。
手のかゆみの正体と、上手な防ぎ方
長芋をさわると手がかゆくなるのは、長芋に含まれる「シュウ酸カルシウム」という針状の結晶が、肌を刺激するためです。体に害はありませんが、あのムズムズはできれば避けたいですよね。
防ぐコツはいくつかあります。まず、皮をむく前後に手を酢水で湿らせておくと、刺激がやわらぎます。すりおろすときは、長芋を持つ手にビニール手袋をつけるのがいちばん手軽で確実です。すでにかゆくなってしまったら、酢を薄めた水で手を洗うと、結晶が溶けてムズムズが落ち着きます。お湯で温めるのも効果的です。
よくあるのが、素手でどんどんすりおろして後からかゆみに悶える、というパターン。手袋ひとつでこの不快感はほぼなくなります。「長芋=かゆい」と敬遠していた人も、このコツを知れば気軽に使えるようになりますよ。
かゆみの原因となる結晶は熱に弱いため、加熱すれば刺激はなくなります。ただし、生のすりおろしを長時間さわると刺激が強まることも。肌が敏感な方は無理せず手袋を使い、まな板やおろし金もすぐ洗い流すと、台所に成分が残らず安心です。
皮は厚くむかない、栄養を逃さないコツ
長芋は、皮の近くに香りと栄養がぎゅっと詰まっています。だから皮はできるだけ薄く、必要な分だけむくのがおすすめです。
調理法によっては、皮ごと使うこともできます。ひげ根をコンロの火やガスバーナーでさっと焼き切れば、皮つきのまますりおろしたり、短冊に切って食べたりできます。皮ごとのほうが風味が濃く、食物繊維もしっかりとれます。皮をむく場合も、ピーラーで薄くひとむきする程度にとどめれば、おいしい部分を捨てずにすみます。
つい厚めに皮をむいて、白い実の部分まで大きく削ってしまう…というのはもったいない失敗。長芋の魅力は、皮際のシャキシャキ感と独特の風味にあります。薄むき、あるいは皮ごとを意識するだけで、味も栄養もぐっと得られますよ。
「これ食べて大丈夫?」傷んだ長芋の見分け方
冷蔵庫の奥から長芋が出てきて、「これ、まだ食べられる?」と焦ること、ありますよね。長芋は変色しやすい食材なので、見た目だけで判断すると、食べられるものまで捨ててしまいがちです。安全に見極めるポイントを押さえましょう。
黒ずみ・茶色い汁・カビは危険サイン
まず、はっきり「食べないほうがよい」状態を覚えておきましょう。広範囲の黒ずみ、表面のカビ、茶色い水分(汁)がにじみ出ている、この3つが出ていたら処分が安心です。
とくに、ほかと明らかに色が違う黒ずみが大きく広がっている場合や、白〜緑・黒のふわふわしたカビが見える場合は、内部まで傷みが進んでいるサインです。袋の底に茶色い汁がたまっているのも、組織が壊れて腐敗が始まっている証拠。こうなったものは、もったいなくても食べないでください。
ありがちなのが、夏場にカット長芋を常温で数時間放置してしまったケース。気温が高いと表面がぬるっとし、数時間でぬめりや酸っぱいにおいが出てくることもあります。少しでも「あれ?」と感じたら、危険サインと照らし合わせて冷静に判断しましょう。食品安全の基本として、迷ったら口にしないのが一番です。
酸っぱい臭い・ぬめり・ブヨブヨは要注意
色だけでなく、「におい」と「手ざわり」も大事な判断材料です。ツンとした酸っぱいにおい、ドロドロした異常なぬめり、押すとブヨブヨ軟らかい、これらは傷みのサインです。
長芋はもともと表面に粘りがありますが、それとは別に、糸を引くようなドロッとした強いぬめりが出てきたら劣化のしるし。鼻を近づけて酸っぱいにおいやカビ臭さを感じたり、持ったときに全体的にやわらかくハリがなかったりする場合も、内部で傷みが進んでいます。腐敗は見た目より先ににおいで気づくことが多いので、迷ったらまず香りを確かめてください。
「冷蔵庫に入れていたから大丈夫」と過信して、においを確かめずに調理してしまうのは避けたいところ。五感を使ってチェックすれば、危険なものはたいてい見分けられます。少しでも不安が残るなら、無理せず手放す勇気も大切です。
変色していても食べられるケースもある
一方で、変色のすべてが「傷んだ」わけではありません。ピンク色や薄い茶色、赤黒い変色の多くは、酸化による色の変化で、食べても問題ないことがほとんどです。
切ってしばらく置いた長芋がピンクや茶色っぽくなるのは、りんごの切り口が茶色くなるのと同じ仕組み。異臭がなく、硬さやハリが保たれていれば、すぐに腐敗とは限りません。気になる場合は変色した部分を薄く削るか、酢水にさらせば色も戻り、安心して食べられます。とろろにして加熱料理に使えば、見た目も気になりません。
「茶色くなった=即廃棄」と決めつけて、まだ食べられる長芋を捨ててしまうのはもったいないですよね。判断のコツは「色だけで決めず、におい・ぬめり・硬さもあわせて見る」こと。トータルで問題なければ、おいしくいただけます。もったいない精神と安全、両方を大切にしましょう。
暮らしに合わせた長芋の使い切りアイデア
長芋を最後まで使いきるコツは、自分の暮らし方に合った保存スタイルを選ぶことです。一人暮らし、大家族、作り置き派、それぞれにぴったりの方法があります。今日から取り入れられるアイデアを紹介します。
一人暮らしは「少量ずつ冷凍」が正解
一人暮らしで長芋一本を使いきるのは、なかなか大変ですよね。そんなときは、買ってすぐ小分け冷凍してしまうのがいちばんラクで失敗しません。
おすすめは、半分はカットして冷蔵で数日のうちに食べ、残り半分はすりおろして酢を加え、平らに冷凍する方法。冷凍とろろは約1ヶ月もつので、食べたい分だけ割って使えます。短冊切りを少量ずつ冷凍しておけば、あと一品ほしいときの炒め物や汁物にもさっと使えて便利です。一度に使う量が少ない人ほど、冷凍をうまく活用すると無駄が出ません。
ありがちなのが、「少しずつ食べよう」と冷蔵のまま放置して、結局後半を傷ませてしまうパターン。最初に冷凍へ回しておけば、その心配がありません。最初のひと手間で、長芋一本をきっちり使いきれますよ。
まとめ買い派は「丸ごと常温+一部冷凍」
大家族やまとめ買い派は、複数本をどう保管するかが悩みどころ。基本は、皮つき丸ごとを新聞紙で包んで冷暗所に常温保存し、使う分から順に消費していくのがおすすめです。
丸ごとなら涼しい場所で約1ヶ月もつので、数本まとめても焦らず使えます。それでも食べきれそうにない分は、早めにカットやすりおろしにして冷凍へ回しておくと安心。「常温でじっくり」と「冷凍で長期キープ」を組み合わせれば、まとめ買いした長芋もムダなく回せます。
注意したいのは、まとめ買いした長芋を全部キッチンに常温で積んでおくこと。とくに夏場は25℃を超えて一気に傷みが進み、気づけば数本まとめてダメに…という失敗につながります。季節と量を見ながら、「常温で置く分」と「冷凍する分」を最初に振り分けておくのがコツです。
週末の作り置きで、とろろストックを常備
週末にまとめて仕込む作り置き派には、長芋はうってつけの食材です。すりおろしてとろろにし、小分け冷凍しておけば、平日の食事づくりがぐっとラクになります。
週末に長芋をまとめてすりおろし、酢を加えて保存袋に薄く広げ、菜箸で溝をつけて冷凍。これで「割って使えるとろろストック」の完成です。忙しい朝はご飯にのせてとろろご飯、夜は冷奴やそばのトッピングにと大活躍。短冊切りを冷凍しておけば、お弁当のすき間おかずや、帰宅後すぐの一品にも使えます。下ごしらえを週末にまとめておくと、平日の自分がぐっと助かりますよ。
作り置きで気をつけたいのは、すりおろしを冷蔵で何日も置かないこと。生のとろろは傷みが早いので、すぐ食べない分は必ず冷凍へ。冷凍してしまえば約1ヶ月安心です。ひと手間の仕込みが、忙しい毎日の強い味方になってくれます。
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まとめ:長芋は「状態に合わせた保存」で一本まるごと使いきれる
長芋を無駄なく使いきるコツは、買ってきた状態に合わせて保存場所を選ぶことに尽きます。皮つき丸ごとなら涼しい場所で常温保存して約1ヶ月、カットしたら切り口を守って冷蔵で数日〜10日、使いきれない分はすりおろしやカットで冷凍して約1ヶ月。この3パターンを使い分ければ、もう冷蔵庫の奥で傷ませる心配はありません。変色やかゆみも、酢や手袋といったひと手間で気持ちよく解決できます。
今日のポイントを、もう一度おさらいしましょう。
・丸ごとは新聞紙で包み、25℃以下の冷暗所で常温保存(約1ヶ月)
・夏場(25℃超)は丸ごとでも冷蔵(野菜室)に切り替える
・カットは切り口にラップを密着、生食3〜4日・加熱10日が目安
・すりおろし/カットは酢を少々加えて平らに冷凍(約1ヶ月)
・変色防止と冷凍には「酢」、かゆみ対策には「手袋・酢水」
・黒ずみ広範囲・カビ・茶色い汁・酸っぱい臭いは食べない
・ピンクや薄茶の変色は酸化で、食べられることが多い
まずは次に長芋を買ったとき、「これは丸ごとだから常温」「カットだから冷凍へ」と、置き場所を意識してみてください。すりおろしを薄く平らに冷凍しておけば、忙しい朝でもとろろご飯がすぐ完成します。ほんの少しの工夫で、長芋はあなたが思っている以上に長持ちし、食卓を助けてくれる頼もしい常備食材になります。もう「気づいたら傷んでいた」と落ち込むことはありません。今日から、長芋を一本まるごとおいしく使いきっていきましょう。
※本記事は農林水産省などの公的機関の情報や各メーカーの保存情報をもとに作成しています。食品の状態や保存環境には個体差があります。最終的な可否は、においや見た目など実際の状態をご確認のうえご判断ください。参考:農林水産省「食中毒予防のポイント」、農林水産省「冷蔵庫のかしこい使い方」

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