春の訪れを感じさせる山菜の代表格、タラの芽。「せっかく手に入れたのに、気づいたらしんなり…」なんて経験、ありませんか。実はタラの芽は、野菜の中でも特に鮮度が落ちやすい食材。買ったその日に食べるのが一番ですが、毎回そうもいきませんよね。でも安心してください。正しく保存すれば、冷蔵で2〜3日、冷凍なら約1ヶ月、さらに塩漬けにすれば半年近くもたせることができます。意外と長持ちさせる手段があるんです。
この記事では、タラの芽の保存方法を冷蔵・冷凍・塩漬けの3パターンで、下処理のコツから解凍後のおいしい食べ方まで、まるごと解説します。読み終わるころには「もう無駄にしない!」と自信が持てるはずです。
・タラの芽を冷蔵で2〜3日長持ちさせる包み方
・冷凍で約1ヶ月キープする下処理とアク抜きの手順
・塩漬けで半年もたせる長期保存のコツ
・傷んだサインの見分け方と山菜の食品安全
タラの芽は鮮度の命が短い山菜。まずは基本を押さえよう
タラの芽を上手に保存するには、まず「この食材がどういう性質を持っているか」を知っておくのが近道です。山菜は野菜の中でも特に繊細。ここを押さえておくと、なぜその保存方法がいいのかが腑に落ちて、ぐっと実践しやすくなりますよ。
常温に置くと一晩でしんなり?夏場は数時間が限界
結論から言うと、タラの芽の常温保存はおすすめできません。買ってきてキッチンに置きっぱなしにすると、春先でも翌日にはつぼみが乾いてしんなり、香りも飛んでしまいます。タラの芽は摘み取られた後も呼吸を続けていて、その分どんどん水分と風味が失われていくからです。
とくに気温が上がる5月以降や暖房の効いた室内では、数時間でハリが落ちることも。買い物から帰ったら、袋に入れたまま放置せず、できるだけ早く冷蔵庫に移すのが鉄則です。「とりあえず常温」が一番もったいない選択なんですね。どうしてもすぐ冷蔵庫に入れられないときは、せめて直射日光の当たらない涼しい場所に置いておきましょう。
冷蔵なら2〜3日、湿らせた新聞紙が長持ちのカギ
タラの芽を数日のうちに食べきるなら、冷蔵保存が手軽で確実です。日持ちの目安は2〜3日。ポイントは「乾燥させないこと」の一点に尽きます。タラの芽は水分が抜けるとつぼみがパサつき、独特のほろ苦さと香りが弱まってしまうんです。
具体的には、湿らせた新聞紙やキッチンペーパーでふんわり包み、穴をあけたポリ袋に入れて野菜室へ。野菜室はおよそ3〜8℃で、冷えすぎず乾燥もしにくいので山菜にちょうどいい環境です。ぎゅうぎゅうに詰めず、つぼみを傷つけないようやさしく扱ってあげてください。これだけで、何もしないときと比べて鮮度の持ちが見違えますよ。
新鮮なタラの芽の見分け方—切り口のゼリーとつぼみの開き
長持ちさせる大前提として、そもそも新鮮なものを選ぶことが大切です。見分けるポイントは主に3つ。まず、つぼみがキュッと締まっていてハリがあること。芽が3〜5cmほど伸びて、ほどよく開きかけたくらいが、苦味とやわらかさのバランスがよく初心者にも扱いやすいタイミングです。
次に、天然物なら切り口を見てください。透明なゼリー状の樹液がにじんでいれば、摘みたてに近い証拠です。逆に切り口が茶色く乾いていたり、つぼみが黒ずんでいるものは鮮度が落ちています。棘の少ない「女タラ(メダラ)」は風味が穏やかで食べやすいので、迷ったらこちらを選ぶのも手ですよ。
そもそもタラの芽の旬はいつ?天然とハウスで時期が違う
タラの芽には「天然物」と「ハウス栽培物」があり、出回る時期が大きく異なります。天然物の旬は4月から6月上旬ごろ。ちょうど桜が咲くころに芽吹くと言われ、春そのものを味わえる山菜です。香りが強く、ほろ苦さもしっかりしています。
一方、ハウス栽培物は料亭などの需要に応えるため早くから出荷され、早いものは12月ごろから店頭に並びます。出荷のピークは2月下旬から3月。つまり冬から春にかけて長く楽しめるわけですね。栽培物は棘が少なく食べやすいので、家庭で気軽に使うならこちらが扱いやすいでしょう。
タラの芽は「山菜の王様」と呼ばれるほど人気の高い春の味覚。100gあたり27kcalと低カロリーながら、たんぱく質4.2g、食物繊維4.2g、カリウム460mgとミネラルも豊富です(生・日本食品標準成分表2020年版より)。ほろ苦さの正体はポリフェノールなどの植物成分で、春に体を目覚めさせてくれる味とも言われています。
タラの芽の保存方法、冷蔵で鮮度を保つ正しいやり方
ここからは、もっとも出番の多い冷蔵保存を詳しく見ていきましょう。「ただ冷蔵庫に入れるだけ」と思われがちですが、ほんのひと手間で持ちが大きく変わります。今日からすぐ真似できるコツばかりですよ。
結論は「洗わず湿らせて包む」。水分管理が9割
冷蔵保存のコツを一言でまとめるなら「洗わず、湿らせて、包む」です。タラの芽は使う直前に洗うのが基本。先に水洗いしてしまうと、表面に残った水分から傷みが進み、つぼみの間に水がたまってベチャっとしやすくなります。
保存中に必要なのは「適度な湿り気」であって「びしょ濡れ」ではありません。乾けばしんなり、濡れすぎれば腐る——このさじ加減が水分管理の肝です。湿らせた新聞紙でやさしく包んでポリ袋に入れる、というシンプルな方法が、結局いちばん失敗しません。まずはこの基本形を覚えておきましょう。
- 新聞紙またはキッチンペーパーを軽く湿らせる(びしょ濡れにしない)
- タラの芽を洗わずに、つぼみを潰さないようふんわり包む
- 穴をあけたポリ袋に入れ、野菜室で立てて保存する
野菜室で2〜3日キープする具体手順
冷蔵での日持ちの目安は2〜3日。香りが命の食材なので、これ以上長く置くなら冷凍に切り替えるのが正解です。保存場所は冷蔵庫の中でも野菜室がベスト。通常の冷蔵室(約2〜5℃)より少し高めの温度と湿度が保たれていて、乾燥や冷えすぎによるダメージを防げます。
立てて保存すると、タラの芽が育っていた自然な状態に近づき、ストレスが少なく鮮度が保ちやすくなります。深さのある保存容器や紙コップを使うと立てやすいですよ。袋の口は完全に密閉せず、少し空気が通るようにしておくのもポイント。蒸れを防いで、つぼみが黒ずむのを抑えられます。
やりがちな失敗—濡らしすぎと密閉しすぎ
冷蔵保存でいちばん多い失敗が、新聞紙を濡らしすぎてしまうこと。良かれと思ってたっぷり水を含ませると、つぼみの隙間に水がたまり、半日もすればそこから茶色く変色してヌメリが出てきます。ペーパーは「軽く湿る」程度で十分です。
もう一つの失敗が、ポリ袋をきっちり密閉してしまうこと。タラの芽は収穫後も呼吸しているので、完全密閉すると袋の中が蒸れて傷みが早まります。袋に数か所穴をあけるか、口を軽く折るだけにとどめましょう。「乾燥は嫌だけど蒸れも嫌」——このバランスを意識するだけで、仕上がりがまるで違いますよ。
一人暮らしの少量保存、使い切れない分はどうする?
一人暮らしでスーパーのパック1つを買うと、数日で使い切れず持て余すこともありますよね。そんなときは「2〜3日で食べる分だけ冷蔵、残りは早めに冷凍」と最初に分けてしまうのがおすすめです。中途半端に冷蔵で粘ると、結局しんなりさせてしまいがちです。
少量なら、湿らせたペーパーで包んでから小さめの保存容器に入れると、冷蔵庫の中で乾燥も型崩れも防げて便利。天ぷら1〜2個分ずつラップして冷凍しておけば、食べたいときに必要な分だけ取り出せます。「使い切れないからもったいない」と感じる人ほど、買ったその日に保存方法を決めてしまうと無駄が減りますよ。
冷凍すれば約1ヶ月!風味を逃さない下処理のコツ
「2〜3日じゃ食べきれない」という方に断然おすすめなのが冷凍保存です。下処理さえきちんとすれば、約1ヶ月おいしさをキープできます。しかも冷凍ストックがあれば、思い立ったときにすぐ天ぷらや和え物が作れて便利。ここが踏ん張りどころなので、丁寧にいきましょう。
結論—下処理してから冷凍。生のまま袋に入れるのはNG
冷凍保存の結論はシンプルで、「さっと下茹でしてから冷凍する」こと。生のまま冷凍袋に放り込むのは避けてください。タラの芽は水分が多く、生のまま凍らせると組織が壊れて、解凍後に水っぽくグズグズの食感になりがちなんです。
下処理済みのタラの芽を一食分ずつラップで包み、冷凍用保存袋に重ならないよう並べて、空気を抜いて冷凍庫へ。これで2〜3週間、しっかり管理すれば約1ヶ月持ちます。ひと手間に感じるかもしれませんが、この下茹でが解凍後の食感と風味を守る決め手。やる価値は十分にありますよ。
同じ「生のまま冷凍」のコツは、葉物野菜でも応用できます。小松菜の冷凍保存も似た考え方なので、あわせてチェックしてみてください。

アク抜きの茹で方—塩1〜2%で1分半、固めがコツ
冷凍前の下処理では、まず根元の固い部分を少し切り落とし、付け根の茶色い「ハカマ」を取り除きます。ハカマは食感が悪く苦味も強いので、ここを外すだけで仕上がりが上品になります。根元が太いものは十字に切り込みを入れると火の通りが均一になりますよ。
アク抜きは、水1Lに塩20g(約2%)を加えた湯で行います。冷凍前提なら、解凍後に再加熱することを見越して1分半ほど固めに茹でるのがコツ。茹で上がったらすぐ冷水にとり、しっかり水気を切ります。ここで茹ですぎると、解凍して調理したときにクタッとしてしまうので、「少し固いかな」くらいでちょうどいいんです。茹で汁にはアクが出ているので捨ててくださいね。
ちなみに、アク抜きの感覚はごぼうなど他の野菜とも共通しています。切ったごぼうの保存と変色防止のコツも参考になりますよ。

天ぷらにするつもりなら、実はアク抜き不要。タラの芽のほろ苦さと香りは天ぷらのおいしさそのものなので、下茹でせず生のまま揚げるとサクッと春らしい味わいに仕上がります。和え物やおひたしにするときだけアク抜きすればOKです。
小分け冷凍の手順とラップの使い方
下茹でして水気を切ったら、いよいよ冷凍です。ポイントは「小分け」と「平らに」。一食分(天ぷらなら2〜3個、和え物なら片手にのる程度)ずつラップでぴったり包むと、使うときに必要な分だけ取り出せて無駄がありません。
ラップで包んだものを冷凍用保存袋にまとめ、重ならないよう平らに並べて空気を抜き、口を閉じて冷凍庫へ。空気が残っていると霜がついて風味が落ちるので、ストローで吸い出すかゆっくり押さえて抜きましょう。金属製のバットにのせて凍らせると急速冷凍になり、組織のダメージを抑えられます。冷凍焼けを防ぐためにも、なるべく早く凍らせるのがコツです。
冷凍タラの芽の解凍&使い方—凍ったまま調理が正解
冷凍したタラの芽は、解凍方法で仕上がりが決まります。基本は「解凍しすぎないこと」。常温で完全に解凍すると水分が出てベチャッとなるので、凍ったまま、または半解凍の状態で調理に使うのが正解です。
和え物やおひたしなら、凍ったものをさっと熱湯にくぐらせるか、冷蔵庫で半解凍してから水気を絞って使います。汁物や炒め物なら凍ったまま鍋やフライパンに投入してOK。天ぷらにする場合も、半解凍で衣をつけて揚げれば、外はサクッ・中はほっくり仕上がります。「冷凍は味が落ちる」と思われがちですが、下処理と解凍さえ正しければ、忙しい日でも春の味をすぐ楽しめる頼もしいストックになりますよ。
タラの芽の保存方法はまだある—塩漬けで半年もたせる
「たくさん手に入ったから、もっと長く保存したい」。そんなときの奥の手が塩漬けです。昔ながらの保存食の知恵で、うまくいけば半年近くもたせることができます。冷凍庫がいっぱいのときにも頼れる方法ですよ。
塩漬けの仕組み—塩分濃度で日持ちが決まる
塩漬けが長持ちする理由は、塩の力で食材から水分を抜き、雑菌が繁殖しにくい環境をつくるから。漬物や梅干しと同じ原理ですね。タラの芽もこの方法でぐっと保存期間が延びます。ポイントは塩分濃度で、濃いほど日持ちは長くなります。
目安として、タラの芽の重さに対して塩分20%なら約120日、30%なら約180日ほど保存できます。「半年近く春の山菜が食べられる」と考えると、なかなか心強いですよね。ただし塩分が濃い分、食べる前の塩抜きは必須。長期保存と引き換えに、ひと手間かかると覚えておきましょう。
塩分20%で120日・30%で180日の手順
塩漬けの手順はそれほど難しくありません。まずタラの芽を洗い、ハカマなど固い部分を取り除きます。次に容器の底に塩をふり、タラの芽を並べてはまた塩をふる、を繰り返して全体を塩で覆います。タラの芽が空気に触れないよう、しっかり塩で包むのがコツです。
使う塩の量は、保存したい期間に合わせて調整します。長くもたせたいなら重さの30%、ある程度の期間でよければ20%が目安。重しをのせて冷暗所か冷蔵庫で保存すると、水分が上がってきます。塩がしっかり回っていれば、つぼみが塩に守られた状態で長期保存できます。容器は清潔なものを使い、雑菌が入らないよう気をつけてくださいね。
- タラの芽を洗い、ハカマなど固い部分を取り除く
- 清潔な容器に塩→タラの芽→塩と重ね、全体を塩で覆う(塩は重さの20〜30%)
- 重しをのせ、冷暗所か冷蔵庫で保存。食べる前にたっぷりの水で塩抜きする
塩抜きしておいしく使う方法
塩漬けしたタラの芽を食べるときは、塩抜きが欠かせません。塩分が強いまま調理すると、とても食べられたものではないからです。たっぷりの水に浸して、味を見ながら数回水を替えて塩を抜いていきます。
塩抜きの加減は好みと料理次第。和え物やおひたしならしっかりめに、煮物など味付けする料理なら少し塩気を残しても構いません。塩抜きしすぎると風味まで抜けてしまうので、ときどき少し齧って確認するのがおすすめです。塩漬けにすると食感は生とは変わりますが、保存食ならではの味わいがあり、季節を問わず山菜を楽しめるのが魅力ですよ。
週末の作り置き・大家族のまとめ買いに
塩漬けや冷凍は、ライフスタイルによって使い分けると無駄がありません。家族が多くて一度にたくさん消費する家庭なら、まとめ買いして半分は冷凍、半分は塩漬け、と分散させておくと食卓のバリエーションが広がります。
週末にまとめて下処理する作り置き派なら、下茹で→小分け冷凍までを一気に済ませておくと平日がラク。逆に少人数の家庭で「旬の味を長く少しずつ楽しみたい」なら、塩漬けにして食べたい分だけ塩抜きする方法が向いています。自分の暮らしに合った保存法を選べば、せっかくの春の味を最後までおいしく使い切れますよ。
保存方法別の日持ち比較—結局どれを選べばいい?
ここまで冷蔵・冷凍・塩漬けと3つの方法を見てきました。「で、結局どれがいいの?」と迷いますよね。状況別に整理して、選びやすいようにまとめておきます。
一目でわかる!タラの芽の保存方法比較表
それぞれの保存方法を、日持ちと向いている使い方で比較してみましょう。下の表は当サイト「食材保存のミカタ」が公的データと一般的な保存知識をもとに整理したものです。自分の使い切れるペースに合わせて選んでみてください。
| 保存方法 | 日持ち目安 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 常温 | 当日〜翌日 | 買ったその日に食べる |
| 冷蔵(野菜室) | 2〜3日 | 数日内に天ぷら等で消費 |
| 冷凍(下処理後) | 2〜3週間〜約1ヶ月 | 少しずつ使いたい |
| 塩漬け(20%) | 約120日 | 大量保存・長期保存 |
| 塩漬け(30%) | 約180日 | 半年近く保存したい |
実は冷凍の方が向いている料理もある
意外と知られていませんが、タラの芽は「生が一番」とは限りません。たしかに香りやシャキッとした食感は採れたての生がいちばんですが、冷凍にはそれ独自のメリットがあるんです。下茹でして冷凍しておけば、和え物やおひたしに使うとき、すでに火が通っているので調理がぐっと時短になります。
さらに、冷凍ストックがあれば「今日はタラの芽の天ぷらが食べたい」と思い立ったその瞬間に揚げられます。旬を逃して諦めるのではなく、季節の味を自分のタイミングで楽しめる——これは冷凍ならではの強みです。「冷凍=妥協」ではなく「冷凍=旬の作り置き」と考えると、ぐっと前向きに使えますよ。
栄養を逃さない保存はどれ?
タラの芽はビタミンCやカリウムなど水に溶けやすい栄養も含むため、保存と調理で多少は失われます。たとえばビタミンCは生で100gあたり7.0mg、茹でると3.0mgに、カリウムは460mgから260mgに減少します(日本食品標準成分表2020年版)。アク抜きで茹でる以上、ある程度の損失は避けられません。
栄養をできるだけ残したいなら、アク抜き不要で短時間で揚げる天ぷらが理にかなっています。冷凍する場合も、下茹では「固め・短時間」を徹底すると流出を最小限にできます。とはいえ、タラの芽はもともとβカロテンや食物繊維、ミネラルが豊富な山菜。多少茹でても栄養価の高さは健在なので、保存方法は栄養より「使い切りやすさ」で選んで大丈夫ですよ。
同じく冷凍でシャキシャキ食感を保ちたい野菜として、れんこんの冷凍保存のコツも合わせて読むと保存の幅が広がります。

タラの芽が傷むとどうなる?捨てるサインと食品安全
保存していると気になるのが「これ、まだ食べられる?」という判断。冷蔵庫の奥から出てきて焦ること、ありますよね。もったいないからこそ、傷んだサインと安全のポイントをしっかり押さえておきましょう。
傷んだタラの芽の見分け方—ヌメリ・異臭・変色
タラの芽が傷んでいるかどうかは、見た目・におい・触感の3点でチェックできます。まず、つぼみや切り口が黒や茶色にドロッと変色していたら危険信号。新鮮なものは薄緑できれいですが、傷むとまず色がくすんできます。
次に、表面にヌメリやネバつきが出ていたり、酸っぱいような発酵臭・カビ臭がするものは食べないでください。とくに濡らしすぎて密閉保存したタラの芽は、つぼみの隙間から傷みやすく、数日でヌメリが出ることがあります。「ちょっと怪しいけどもったいない」と感じても、はっきり異臭やヌメリがあるなら処分するのが安全です。迷ったら口にしない——これが食品を扱ううえでの基本ですよ。
山菜採りでタラの芽を自分で採る場合、有毒植物との誤食に注意が必要です。厚生労働省も、タラノキの芽が有毒なテンナンショウ類などと間違われる事例を注意喚起しています。食用と確実に判断できない植物は「採らない・食べない・人にあげない」を徹底しましょう。
山菜採りの落とし穴—有毒植物との誤食に注意
市販のタラの芽なら心配いりませんが、自分で山菜採りをする場合は食品安全の知識が欠かせません。毎年、山菜と有毒植物を間違えて食べたことによる食中毒が発生しており、なかには重い症状に至るケースもあります。タラの芽も例外ではなく、似た見た目の有毒植物が混じっていることがあります。
厚生労働省は、食用と確実に判断できない植物は採らない・食べないよう呼びかけています。山菜に混じって有毒植物が生えていることもあるため、採るときは一本一本確認し、調理前にもう一度チェックすることが大切です。少しでも不安があれば、無理せず市販のものを選びましょう。詳しくは厚生労働省の有毒植物による食中毒に注意しましょうのページが参考になります。
加熱の目安と茹で汁の扱い
タラの芽は基本的に加熱して食べる山菜です。生で食べる食材ではないので、天ぷらにせよ和え物にせよ、しっかり火を通しましょう。食中毒予防の一般的な目安として、加熱は中心部が75℃以上になるようにすると安心です。
アク抜きで使った茹で汁には、苦味やアク成分が溶け出しているので、再利用せずに捨ててください。冷凍したものを再加熱する場合も、中までしっかり温めるのがポイント。半解凍からの調理は食感のためには有効ですが、加熱が足りないと感じたらもうひと煮立ちさせましょう。正しく加熱すれば、タラの芽はおいしく安全に楽しめる春の味覚です。
もっとおいしく!タラの芽を無駄なく食べ切るアイデア
せっかく上手に保存できても、使い切れなければ意味がありませんよね。最後に、保存したタラの芽をおいしく楽しむ食べ方のアイデアを紹介します。これを知っておけば、保存したストックがどんどん減っていきますよ。
定番の天ぷらはアク抜き不要が正解
タラの芽といえば、まず思い浮かぶのが天ぷら。実はこれ、アク抜きしないのが正解なんです。タラの芽特有のほろ苦さと香りこそが天ぷらの醍醐味で、下茹でして苦味を抜いてしまうと、もったいないことになります。
作り方は簡単。ハカマを取って根元に切り込みを入れたら、衣をつけて170〜180℃の油でカラッと揚げるだけ。冷凍ストックなら半解凍の状態で衣をつければOKです。揚げたては外はサクッ、中はほっくりで、噛むと春の香りがふわっと広がります。塩をぱらりと振るだけで、素材の味が引き立つごちそうになりますよ。
冷凍ストックで作る簡単和え物・おひたし
下茹でして冷凍しておいたタラの芽は、和え物やおひたしに大活躍します。すでに火が通っているので、解凍して水気を絞り、味付けするだけであっという間に一品完成。忙しい日の副菜にぴったりです。
定番はおひたし。だし醤油をかけてかつお節をのせれば、ほろ苦さが上品な小鉢になります。ごま和えやマヨネーズ和え、辛子和えにしても、タラの芽の風味がしっかり感じられて美味。冷凍してあると「あと一品ほしい」というときにすぐ使えて重宝します。半解凍のまま味噌汁の具にしても、春らしい彩りと香りが楽しめますよ。
栄養を活かす食べ方—ビタミン・カリウムを逃さない
タラの芽はβカロテンやビタミンE・K、葉酸、カリウムなどを含む栄養豊富な山菜です。これらを活かすなら、調理法にもちょっとした工夫を。脂溶性のβカロテンやビタミンEは油と相性がいいので、天ぷらや炒め物にすると吸収が高まります。
一方、水に溶けやすいカリウムやビタミンCを逃したくないなら、茹で時間を短くし、汁ごと食べられる味噌汁やスープに使うのが効果的です。低カロリーで食物繊維も豊富なので、春の食卓にうれしい一品。保存しておいたタラの芽を上手に取り入れて、季節の栄養をまるごといただきましょう。「保存したからこそ、旬を長く味わえる」——その満足感も、ごちそうの一部ですよね。
「冷凍したら味が落ちそう」と心配な方もいますが、タラの芽は下処理して凍らせれば、解凍後も和え物・天ぷら・味噌汁とちゃんとおいしく食べられます。むしろ火が通っている分、調理は時短に。旬を逃しても慌てず、自分のタイミングで春の味を楽しめますよ。
まとめ|タラの芽は正しく保存すれば旬を長く楽しめる
鮮度が落ちやすいタラの芽も、性質を知って正しく保存すれば、思っている以上に長く楽しめます。数日で食べきるなら冷蔵、少しずつ使いたいなら冷凍、たくさん保存したいなら塩漬け——使い切るペースに合わせて選べば、もう「気づいたらしんなり…」と落ち込むこともありません。せっかくの春の味覚、最後の一つまでおいしくいただきましょう。
最後に、この記事のポイントを振り返っておきます。
- タラの芽の常温保存は当日〜翌日が限界。買ったら早めに冷蔵庫へ
- 冷蔵は湿らせた新聞紙で包み野菜室で2〜3日。洗わず・濡らしすぎず・密閉しすぎない
- 冷凍は下処理(ハカマ取り+塩2%で1分半固めゆで)してから一食分ずつ。約1ヶ月キープ
- 解凍は凍ったまま・半解凍で調理するとベチャつかない
- 塩漬けは塩分20%で約120日、30%で約180日。食べる前に塩抜きを
- 天ぷらはアク抜き不要、和え物・おひたしはアク抜きありが正解
- ヌメリ・異臭・変色は処分のサイン。山菜採りは有毒植物の誤食に注意
まずは今日、冷蔵庫の中のタラの芽を「2〜3日で食べる分」と「冷凍する分」に分けるところから始めてみてください。下茹でして小分け冷凍しておけば、忙しい日でも春の味がすぐ食卓に並びます。正しく保存すれば、旬の短いタラの芽も慌てず使い切れますよ。今年の春は、最後の一つまで無駄なくおいしく味わってくださいね。
※本記事の保存期間は目安です。食材の状態や保存環境によって変わります。最新情報は公式サイトや公的機関でご確認ください。
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